芭蕉林通信(ブログ)

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2022年09月26日 絵画教室

 私が産まれた新町には今でもいきつけの本屋があり、そこの小さなスペースでは季節ごとに異なる展示をしている。先々週にそのスペースを覗くと、苺や栗などの色鉛筆画が7〜8点展示されていた。20個ほどの苺や栗が写真と見間違えるほどの繊細さで描かれているのに目を奪われた。民放のプレバトというテレビ番組では、俳句の他にも料理や消しゴムアート、壁絵などをテーマに有名人やタレントが参加してバトルが繰り返される。色鉛筆画もその一つであることを思い出した。

 そしてそのスペースには近々絵画教室を開催するとのチラシが置いてあった。典型的な我流画家である私にとっては、基本を学びなおす千載一遇のチャンスと思い参加を決断した。参加人数6人と少なめなのも個人指導をしてもらえる良い機会と思えたのである。果たして約3時間の絵画教室は基本を学ぶ実り多い時間となった。

 講師は警視庁の似顔絵捜査官の経歴を持つ青年。ふるさと熊本に帰り、主に色鉛筆画家として作品を制作したり、多くの生徒に教えているらしい。グラデーション、ハッキング、塗りつぶし、補色などの技法を習いつつ仕上げたのがこの猫の絵である。薄色から始めて濃い色で描くなどのテクニックは大変に参考になった。ゴルフやテニスも長年続けている内に我流が定着してしまっている。仕事にしてもしかり。今一度基本に戻ってやり直したいと思っている。

2022年09月08日 根と翼

 最近のNHKの語学番組は、タレントがその国を旅したり語学力を高めていく様が紹介されたりして、昔の固い印象の番組とは様変わりしている。ある朝何気なくドイツ語の番組を見ていたら、文豪ゲーテの名言が紹介された。ゲーテと言えばいくつか思い出すことがある。

 ドイツの古都ハイデルベルグと熊本市は友好都市になっていることもあり、20年ほど前に視察団を結成して、ハイデルベルグからミュンヘンを経由しベルリンまで足を延ばしたことがある。廃城と化したハイデルベルグ城のたたずまいに感激していると、ガイドが晩年のゲーテがこの町に来て、若い女性に恋をしたあげく振られてしまったと説明してくれた。さすが「若きウェルテルの悩み」を書いた文豪らしい逸話だと感心したせいか、その後も「ファウスト」や「イタリア紀行」などを愛読した。

 そしてこの朝そのゲーテの名言に出会ったという次第なのであるが、その名言とは「子供には、根と翼を与えなさい」というもの。解説によると、根とは子供が安心して暮らせる家庭環境であり、翼とはいずれ家を出て自立する力であるとのことである。さすがに詩人でもあったゲーテは表現がうまいと感心した。50年ぶりに「若きウェルテルの悩み」を再読して、シャルロッテに会ってみたくなった。

2022年09月06日 はらぺこあおむしと盆栽

 今まで成功したことのない盆栽の世話。新型コロナのせいで家にいる時間が増えたおかげで、やっと盆栽の世話が行き届くようになった。面白いことに毎朝、毎晩水を遣り、雑草を抜いたりしていると盆栽に愛着まで感じるようになった。日向と日陰のバランスを考えて鉢の位置を変えたりもするのである。

 そうした努力と愛情の結果、苔は青々と輝き、クチナシの三光斑には若葉が芽生えた。ある朝のこと、ふと盆栽を見るとクチナシの葉があらかたなくなっていることに気が付いた。驚いて観察すると、昨夕までは影も形も見えなかったあおむしが一匹、むしゃむしゃと若葉を食べつくしているではないか。どこから来たのか不信に思いつつも途端に腹が立った。食べたいのならば、庭には他にもたくさんの葉っぱがあるではないかと。

 さなぎになり羽化すれば美しい蝶々になるかも知れないとは思ったものの、そのあおむしをひっぺがし、厳罰に処せんと道の真ん中に投げ捨てた。その後の運命は知らないが、一時の怒りは制御不能だったと言うしかない。痛々しくなったクチナシの盆栽は、その後の世話が良かったのかまた若葉が芽吹き、姿形を整えてくれたのは幸いだった。それにしても、たかが盆栽とはいうものの命あるものを守るのは簡単ではないと思わされた。

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