芭蕉林通信(ブログ)

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2022年11月21日 フリースタイル

 先月、ある料亭から月見の会に招待された。無料招待ということで恐縮しつつ参加したが、食べ放題飲み放題の大盤振る舞いだった。それに加えて、地元の能の先生方が謡や仕舞まで披露してくれなんとも風流な一夜となった。

 その料亭には約50名が集まったが、席はフリーということなので連れと何気なくその一隅に座った。後から次々と同じテーブルに人が来るが、いずれも初対面の人たちばかり。新聞社の社長夫人、オーガニック菜園を作っている婦人などとの話が弾んだ。そしてもっとも興味深い人物が能面士のA先生だった。

 私自身が謡と仕舞の稽古を一時していたこともあり、A先生とは深酒の勢いもあり意気投合した。さらに調子に乗って能面を一面打ってもらう約束まで取ったのである。この時ほどお酒に感謝したことはない。そしてつい最近、先生に依頼していた「増女」の面が届けられた。フリースタイルは新たな出会い、チャンスに繋がるものだとあらためて感心している。

2022年10月31日 海がきれいになって・・・

 若いオーナーシェフが経営する人気レストランに寄った時のことである。天草にある、知る人ぞ知る活き魚を扱う店の話になった。魚に大変詳しい店の人が買い出しに来た多くの料理人に最新の魚事情を説明し、季節ごとにまた日ごとに最も美味しい魚を勧めてくれるのである。私もその様子をテレビ番組で見ていたので、自然にその店の話が始まった。

 そこでの裏話が今日の主題である。その店の主人が、最近は海がきれいになりすぎて良い魚が捕れなくなったと教えてくれたそうだ。なんせ食事中の会話なので、その理由までは話が進まず、意味が分からないままレストランを後にした。韓国や中国では今なお良い魚が捕れるのはなぜかと思いながら。

 ところが昨晩のNHK番組「ダーウィンが来た」で放映された「海を支える”砂の魚”珍ライフ」で解答を得ることができた。瀬戸内海のイカナゴが近年激減した理由は、下水道の普及によって海はきれいになったものの、海に必要な栄養分が不足するようになった。植物・動物性プラクトンが発生しなければ、イカナゴはエサ不足で激減し、それを食する中型・大型魚も増えないという逆の植物連鎖が起こっていたのである。その解決策として、地元の漁協や自治体が協力して、下水処理施設から必要栄養素の窒素やリンを含んだ処理水を瀬戸内海に放流し海を復活させた手腕には感心した。地元の有明海や天草の内海ではそうした取り組みは果たしてなされているのだろうか。

2022年10月04日 夏のおわりに

 今年の夏は連日30度を超える夏日が続き暑い夏だった。それに加えて連続して台風の通過があった。それらの台風はかつての台風とは進路も違えば、進行速度も異例だった。沖縄付近に数日停滞するなどして台風の備えを難しくした。世界ではロシアのウクライナへの軍事侵攻が続き、それに伴う資源問題の先鋭化と物価への悪影響が一挙に顕在化した。国内では安倍元首相が襲撃され死亡するという衝撃的な事件が発生し、その余韻がずっと続いたのも今年の夏のことである。

 そうした日々の中で、私の身辺は比較的穏やかに進んだ。雑事にかかわることだが、ネット通販で取り寄せた鉢植えの朝顔に毎日朝晩水やりをし、美しい青や赤、白の花を愛でることができた。一念発起して参加した色鉛筆画の教室体験も忘れがたい。年齢相応の健康問題は致し方ないとはいえ、同年配の訃報に接すると命のはかなさや尊さを再認識させられた。

 今や10月に入り、今年がどのような年末を迎えるのかさっぱり分からない。あまり先のことを予測しても意味がないのかも知れない。あるのは目の前の課題だけ。その解決に集中するしかない。その合間に、美味しいもの、美しいもの、健康に資するものに出会えられた嬉しいと思う。それにしても、今週後半には気温が急に下がるようなので衣更えを急ごうか。

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