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新型コロナの感染拡大によりリモートワークの機会が増えている。在宅勤務をする場合はZOOMというオンライン会議ソフトを利用している。パソコン画面に東京や福岡から画像に顔を出しながら参加できるので、とても便利で出張旅費の節約にもなっている。 ところがZOOM会議をする上で思いがけないことに気がついた。それは会議に参加すれば自分の顔を自分で見る事になるということ。自分の顔を見ながら発言することに慣れていないので、自分の表情が気になって仕方がない。結論から言えば、自分で自分の顔を見ることに耐えられないのである。しかしよくよく考えれば、自分で自分の顔を見るのは初めてだとしても(鏡や写真は別として)、聞く方からすればそれは日常見慣れた風景のはずである。自分で自分の顔を恥ずかしく感じること事態が独りよがりなのであろうか。 とはいえ、録音した自分の声が聞きづらいのと同じで、自分の動く顔を自分で見ることに慣れるのは難しい。だからこそZOOMの中の自分を少しでもよく見せようと、髪型やカメラの角度、照明の当たり具合にまで気を使うことになる。テレビなどに顔を出すことの多い政治家や芸能人、タレントの皆さんは、仕事柄そんなことはへっちゃらなのであればそれはそれで大変うらやましい。
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社会人になってからは独身寮と社宅に住んだので、生涯で大家さんにお世話になったのは大学4年間だけである。上京して半年間は立川に下宿した。が、大学すぐ近くに好条件の下宿があると聞いて、入れてくれるよう頼みに行ったのが大家さん渡辺百合子さんとの出会いである。 開口一番された質問が「どこの国の方ですか?」だった。当時はテニス部で練習に明け暮れており、真夏の太陽でこんがり肌を焼いていたから留学生と間違えられたようだった。そうとは気づかない私は「故郷(くに)は熊本です」と答え見事入室を許された。 渡辺さんは当時70歳ぐらいで独身の娘陽子さんと二人暮らし。自宅の二階を4人が下宿できるように改装していた。大家さんのすごさは、朝晩家族と下宿人は同じ料理を一緒に食べ、かつ下宿人の洗濯を引き受け、週一回部屋の掃除までもしてくれたことである。自分の余生は、前途のある若い人の面倒を見ることと言い切っていた。卒業まで居続けたのだから情が移るのは当たり前。別れの日には、バス停まで見送りに来てくれた大家さんと涙の別れになった。その後社会人になってからも連絡は欠かさず、家族を連れて会いに行ったりもした。今日があるのは渡辺百合子さんという大家さんのおかげであることは間違いない。
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出入りの取引業者の一人から旅行に誘われたことがある。彼の実家が丹波篠山にある専業農家で、お父さんが松茸山を持っているので松茸狩りをしようというのである。貴重品である松茸、しかも韓国産ではなく国産のホンモノが取れるとあっては行くしかないと思い、心はずませて出発した。まだ30歳代の話だから行動力が十分にあった頃である。 初めて行った丹波篠山では、お父さんが取らずに残していてくれた松茸を予定通りに採取して感激した。専業農家に一泊するというのも初体験だった。歓迎の夕食メニューは山盛りの松茸が入ったスキヤキだったが、その時、驚くことを目にした。スキヤキ鍋を箸でつっついていると、畳を黒い虫が這ってくる。とお父さんが節くれ立った手で虫をひょいと摘まみ上げグニュと潰したのである。 翌朝起きてみると、庭の一隅に鍬や鎌を洗う水溜まりがあり、覗くとザリガニがいっぱいいた。童心に戻り棒切れに糸を結びご飯粒を付けて、ザリガニを3匹ほど釣り上げ金盥に入れておいた。そこに現れた友人は、私の存在を無視するかのように突如金盥を地面にぶちまけ、「悪いムシめー」と叫んで、靴底で踏み潰したのである。慌てて地面を見ると、3匹のザリガニは物の見事に完全消滅していた。農家の人に、作物を作る厳しさを身体で教えてもらった気がした。
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