芭蕉林通信(ブログ)

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2022年04月28日 1%クラブと寄付

 バブル景気の頃業績好調な企業の間では、毎年の利益の1%を寄付に回して社会に還元しようという動きがあった。その名も1%クラブと称していたが、バブル崩壊後の不景気によりいつの間にか忘れ去られてしまった。企業の文化・芸術活動に対する支援は企業メセナとも言うが、景気に左右されることなく継続するのは難しい。

 そうした中にあって、私が参加していた日本IBM主催の九州フォーラムなどは例外中の例外と言えよう。この会に招かれたことにより、約10年間素晴らしい人と出会うことができ、また貴重な討議の場を経験させていただいた。あのフォーラムは今はどうなっているのだろうとときどき思い出す。

 過去を振り返ると、私の会社もいくつかの団体や組織に少額ではあるが寄付をさせていただいてきた。熊本城復元のための一口城主に社員全員を登録、被災した城の復元のために商品売上の一定割合を寄付、業界団体解散時の残余金をこども食堂基金に寄贈、そして今回は2年連続して公益財団法人鶴友奨学会に100万円を寄付することができた。コロナ感染が拡大する状況下、苦学している子供たちを少しでもサポートできればありがたいと思ったのである。

2022年04月19日 広場そして花博

 九州新幹線の福岡から熊本への延伸、そして鹿児島へと繋がるよう願って誘致活動を実施したのはずいぶん昔ように思える。今となっては九州新幹線の全線開業は当たり前のインフラだと思う人が多いだろうが、当時は官民挙げて必死に誘致活動をしたのだった。その過程は意外な展開をしたことも記憶にと留めておかなければならない。本来ならば福岡から熊本に延伸され、その後に熊本から鹿児島へ延伸されるべき九州新幹線は、まず新八代駅から鹿児島中央駅までが先行開業した。鹿児島の強力な誘致活動と政治的な思惑が交差した結果だと熊本県民はほぞをかんだのである。

 しかし今日の熊本都市圏の整備状況を見るならば、確実に都市圏としての整備が進み都市としての魅力を増したことは間違いない。主なところで言えば、熊本中心市街地の再開発によりサクラマチという商業施設と広場が完成、新幹線駅の整備と駅周辺の高層化、そして駅前広場とアミュプラザという大型の商業施設の誕生がある。生まれ育った街がかくも近代的かつ高層化されようとはまるで夢のような気がするぐらいである。

 また私にとっては、花畑広場、駅前広場という魅力的な公共空間が生まれたのはまるでヨーロッパのアゴラ(広場)が熊本に舞い降りた感すらするのである。特に今月から始まった「くまもと 花とみどりの博覧会」は、花畑広場や江津湖近くの熊本市動植物園を主会場にするもので、さっそく広場が市民交流の場として活用され始めたと心からうれしく思う。果たして見たこともないような美しい花で彩られた花畑広場は、これまでの熊本地震やコロナ感染騒動で傷ついた心をしばしの感とはいえ癒してくれるのである。

2022年04月15日 メダカ長者

 「わらしべ長者」という昔話があるが、これはある人が転んだ時につかんだ藁から始まって、最後には邸宅を手に入れるという物語である。ところが、「ティナ・シーリングのスタンフォード大学白熱講義」を読んでいると、家をどうしても欲しい男性が赤いペーパークリップをさまざまな物に交換していき、最終的には田舎の家を手に入れたいう実話が紹介されていた。古今東西、天地(あめつち)の下に異なるものはなしと感心した。

 そんな頃、たまたま会った友人の話が興味深かった。彼は有力な地元企業の重役を卒業した後は悠々自適の生活をしているのだが、趣味としてメダカを育て繁殖させている。その数は千匹を超えるとあって、会うたびにメダカをもらってくれないかと言ってくれる。しかし我が家にはすでに銀色やオレンジ、さらには茶色のメダカが合計15匹いるために断ってきた。

 ところが最近彼が語るところによると、お世話になったオーナーに挨拶がてらメダカを持参すると翌日お礼の電話があり、会社の顧問として復帰を依頼されたというのである。昔の言葉で言うならば、殿様が家来に「愛(う)い奴だ」と目を細めたのであろう。世知辛い世の中、久々に良い話を聞いたとこちらまで嬉しくなった。やはり、他人様には親切にしておくに限る。

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