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「令和2年7月豪雨」と命名されたのはわずか五日前のことである。線状降水帯は熊本県に甚大な被害をもたらした。例年梅雨の終わりの豪雨には注意するようにと言われていたが、昨今ではそうした常識は通用しない。梅雨の合間に突然豪雨が始まり、えんえんと線状降水帯が居座るのである。根底に地球温暖化の影響があるとすれば、こうした事態は常態化すると覚悟しなければならない。 それにしても球磨川の氾濫による人吉・球磨・芦北の惨状は目も当てられないほどである。私自身仕事や憩いのために頻繁に行き来する地域だけに、親しい人や馴染み店、旅館、ホテルが気になって仕方がない。テレビ報道を見る限り、道路は寸断され、町並みは一気に瓦礫と化した。だからだろうが、見えない部分についてもつい悪い方に悪い方にと想像してしまう。 今日は現地に住む友人の一人と電話連絡がとれたが、実家の貴重な物が泥水に流された悲しさと共に、あと始末の大変さが言葉の端々から伝わって来た。涙を流す暇もなく、残された家財を捜し、泥水を吐き出す作業に一週間以上従事していると言う。さらに被災地では、高松から来たボランティアがコロナに感染していることが分かった。この人に接触した約400人が感染を疑われているという。善意の行為が新たな不安を引き起こした事態に、仕方がないよねとつぶやいた友人の一言が忘れられない。
(歯医者の待合室で見つけたレオナルド・ダ・ヴィンチの嵐の素描・荒れ狂う雨風と逃げ惑う人々)
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今年の人間ドックは当初の予定より二ヶ月遅らせることにした。当初は4月の予定だったが、コロナによる緊急事態宣言が出たばかりであり院内感染のリスクを避けたのである。とはいえ、経過観察中の病気もあるのでいつまでも引き延ばすわけにはいかない。妥協の結果、6月末のドック入りとなった。 楽しみ且つ不安だったのは2年ほど前から始まった認知症の検査である。1年目はある短文を読まされて、そこに出てくるおばあさんにまつわる質問に答えるものであった。2年目は、花、魚、木、国から一つを選び、3分間以内にいくつ名前を言えるかであった。この時は「花」を選び27種類ほど言ったと思う。我が家の庭の四季を想像し一つ一つを思い出して言った。あとで反省したのは、もし国だったならば40近くは言えたはずだったのにということである。 果たして今年は、10の脈絡ない単語を繰り返し覚えさせられた後に、他の話題をした10分後に、10の単語を覚えているだけ言いいなさいという検査だった。10の単語とは、ジャズ・バス・ふた・暗がり・持ち主・客・きそ(基礎、起訴?)・天候・平和・批評である。10の単語を覚えるにあたっては瞬時に物語を創った。「ジャズというマティスの画集、ジャズにはコントラバスが参加、画集を暖炉のふたに使い、暗がりをふさぐ、ジャズのライブハウスには持ち主がいて、客が来ている、客は批評家でもある、バンドの基礎はちゃんとできている、外の天候は素晴らしく、平和そのものである。」という具合で、無事に10の単語を言えたのはラッキーだった。しかし、後で送られてきた健康診断書を見て、血液年齢が73歳という記述には打ちのめされた。
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コロナ騒動の落とし子の一つは、日頃会社人間と化していた男性連が家事に関心を示し始めたことではないだろうか。テレワークにより家にいる時間が増えると家事が身近なものとなる。昔のことだが、ある調査機関が家事の費用を算出したことがあった。それは会社勤務の給与の半分ぐらいだったと記憶している。最近、惣菜や弁当などの「主婦いらず」カテゴリーが発達しているので、少しは家事が軽減され費用は減額しているかもしれない。 私の場合は、家事をする中にいろいろと創意工夫することがあった。道路に落ちた花や葉っぱの履き方は箒次第で効率が違うし、美味しい湧き水の出る所を発見したりもした。湧き水で淹れたコーヒーを飲めば、水汲みの苦労は一瞬にして吹っ飛ぶ。ましてや湧き水の飲み比べまでできたりすると、「水の国」熊本に住んでいて良かったと心から思えてくる。たまにする風呂の掃除は運動不足の解消と思えば付加価値が付いてくる。 自画自賛の工夫の一つは天井の切れた電球を替える方法である。従来は大きな脚立を倉庫から持ち出して電球替えしていたが、手間隙がかかる上に重いし危なくて仕方がなかった。そこで、3mほどの長さがあるダンボール紙の筒の先にガムテープを貼り、そこに電球を貼り付け、さらに落下防止のためのジョウゴをつけて見事電球替えに成功した。名付けて「天井電球ハメハズシ機」。第二は猫の通路封じである。野良猫が庭に入らぬように、ブロック塀の上にプラスチックのバケツを置き通路を遮断した。バケツの丸くて細い縁ならば猫も足を乗せられまいと推測したのである。ただしバケツをそのままにしていたのでは雨水が溜まるので、バケツの底には穴を開け水が溜まらないように工作した。これで憎き猫も降参だろうと思ってふと庭に目をやると、そのバケツの横をうまくすり抜ける一匹の黒猫。愕然としつつも、さあ知恵の勝負は第二段階に入ったと覚悟した。
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