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相変わらず安倍政権のコロナ対策の評判が良くない。聞こえてくるのは政権内部の不協和音であり、メンバー一丸となった危機管理内閣となりえないのでは対策の実効性に疑問符がつくのは当然だ。個人的に不安なのは、万一コロナに感染した場合に即座にPCR検査してくれるのか、陽性化した場合に入院できるのか、重症化した場合に集中治療室に入りアビガンなど実効性のある薬で治療してもらえるかなどである。そして5月半ばになっても政府はなお頼りないのである。 ましてや休業要請をされて仕事のできない企業や店舗、一時自宅待機をさせられている従業員、雇い止めにあった人達、アルバイトができずに学費を払えない学生、コロナ最前戦で働く医療や介護の現場の人達は、自分自身の健康不安に加え生活の不安さへあるのだ。世界中を見渡せば、コロナ対策の成功事例を数多く見る事ができるのに、いまなお続く日本のもたつきぶりを見るにつけ、これは日本人の歴史や体質に関わる構造的問題かと疑ってしまうのである。 そんな中一服の清涼剤となってくれたのが一枚の手作りマスクである。私の姓と関係があると言うことで、カメのデザインされたマスクをプレゼントされた。偶然にも、机の上に飾っていた緑カメの一匹がマスクから歩き出て来たように見えたのには思わず笑ってしまった。もちろんこのマスクを使うにはもったいなく、いずれコロナを克服できた日が来たならば、その記念に額装して保存しようかと思っている。
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今年の5月の連休はゴールデンウイークと言うよりはコロナ連休と呼ぶのがふさわしい。私はといえば、基本ステイホームをしつつ近くの里山を一人で散歩したり裏山をサイクリングしたりして体力の温存を図った。時には街角ウォチンングをすべく、中心市街地に自転車で乗り込んだ。熊本の中心商店街である、上通りや下通り、あるいは通町では閉鎖店舗が多く、人通りが激減しているのが目に見えて分かった。経営が苦しい中でも命を守ろうとする努力には敬意を表わすに値する。 今ベストセラーとなっている脳科学者中野信子さんの「空気を読む脳」の一節に、「日本人は地理的環境のせいか、世界的に見ると集団があまり流動的でなく、集団の結束を個人の意思より優先することを美徳とする傾向があります。」とある。世界ではコロナ対策のために、私権制限も辞さずに外出規制を実施している国が多数あるが、こうした国では個人の自由を美徳とする国民が多いのではないか。もっとも日本では、個人の勝手な動きは許さないという行き過ぎた集団心理が働く恐れは排除できない。 さらに思うのは日本には村落共同体の歴史があったということである。「絆」とか「結」とか呼ぶのは集団的互助組織であり生活を守る知恵である。昔は、万が一村落の和を乱せば村八分の身になった(だから変革を起こしにくいという面がある)。民俗学者の宮本常一氏の本に、村の問題を解決するのために村の主だった人が集まり二日二晩に亘って話し合う場面がある。全員の総意を得て問題を解決する、反対者でも最後は勝手な動きは許されない。個人の自由を束縛するという問題はあるにはあるが、コロナに打ち勝つためには今しばらくは我慢が必要なのだろう。自由の精神を忘れないままで。
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5月の連休を迎え熊本はいたるところ新緑に溢れている。地元で一番きれいな季節はと問われればいつも5月と答えてきた身にとっては、今年はコロナ感染の恐れがあること自体に違和感を覚えざるを得ない。しかも皮肉なことに、今年の連休は好転に恵まれているのである。 熊本城に隣接している藤崎台球場の近くには、推定樹齢千年を数えるクスの木が7本あり、木の周りはいつも鬱蒼としている。以前から好きな句に、「楠(くすのき)千年 されど今年も 若葉なり」がある。人間も常にフレッシュであれ、青春であれと励まされる句だ。そういえば、熊本市内を囲む山々はいっとき様々な緑に彩られていたが、いつの間にか濃い緑に統一されてきた。ある人のエッセイに、京都の嵐山の緑の色を数えたら40種類もあったとか。私も数えようと試みたが、目がちかちかし始めて数えることができなかった。日本人は古来から色の微妙な違いを名前で言い表してきた。昔の日本人も5月の若葉に陶酔したのだろう。 5月になれば阿蘇の野焼きもあらかた済んだようだ。先日訪れた原野で見つけたのは野生のサクラソウだけではなかった。野焼きで焼けた大地には、焼けただれた木が立ち枯れしていたのだった。その一本の木が周りの新緑に対し、強いアクセントとして屹立していたのである。自然が作った無意識のアートは、まるで原野の監視人のごとく力強く立っていた。
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