芭蕉林通信(ブログ)

HOME > 芭蕉林通信(ブログ)

190件〜192件 (全 736件)   <前の3件     ・・・   60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68  ・・・   >次の3件

2020年12月10日 ただより高いものはないと思った話

 最近アジアアロワナについて二つのことがあった。いやその話の前に、アジアアロワナの説明をする必要がある。この淡水魚は希少種でありながら、姿形が独特で美しいことから観賞用として人気がある。アジアという名が付いているぐらいだから東南アジアに生息している。我が家に来たのは全身が金と紅色の紅龍という種類だった。名前が必要と思いその魚を「アル」と呼ぶことにした。

 この「アル」はある人を介してただでくれると言うのでもらうことにしたが、とても美しい魚だった。ところが、「アル」は長さ1mほどの成魚なので、2m超の水槽を作る必要が出た。水槽の水の重さは2tにもなり家の床の強化工事を強いられた。またアルの餌は生きた金魚かザリガニなので、別の水槽でこれらを飼いながら毎日餌として与え、週末は水槽の水換えと水質の浄化剤を入れるという作業が始まった。私が根を上げるのは時間の問題であったが、それでも2年間ほどは「アル」を世話しつつ、日々美しく泳ぐ「アル」に癒されたのである。

 別れは突然に訪れるもので、家を新築した際に連れて行けずに「アル」を手放した。熱帯魚屋に水槽と「アル」をただで引き取ったもらったのは仕方がなかった。嫌いで別れた訳ではないのでその後も気になった。そして最近ある旅館のロビーで「アル」そっくりのアジアアロワナを見つけたのが第一のこと。次は、ある人がアジアアロワナを飼っていて、夜中にジャンプした瞬間水槽から飛び出して死なせてしまったという新聞記事を読んだこと。実は、私の「アル」も同じ事件を真夜中に起こし、家族総出で探し回りソフャの間に挟まり傷だらけになった「アル」を救出したという出来事があったのである。今もって、「アル」ほどただより高いものはないと思わせた代物はない。

2020年11月24日 「行」より難しい人間関係

 高野山で千日回峯行をやり遂げた大阿闍梨が、「行」よりも難しいのが人間関係とおっしゃっていた。もっともそうしたことをニコニコ顔で話されたのは、只者ではないと思わせるに十分な高僧とお見受けした。命がけの修行は脳細胞の一部を破損させるほどの荒行であったのに、である。

 年末年始を迎えたものの、今年は恒例となっている行事にも新型コロナの影響が必至である。忘年会や新年会の中止は当たり前としても、年賀状を失礼するとの取引先からの連絡が相次いだ。いわゆる虚礼廃止ということだが、昔勤めていた銀行では当たり前であったのだから違和感はない。コロナ感染が原因というよりは、年賀状の宛名を書く時に肩書きを間違えないよう調べるのが大変だからと推測している。こうして人間関係を維持する行為も減っていくのだ。

 家庭においては夫婦、親子、兄弟関係が付いてまわる。夫婦関係が長く続く秘訣は我慢だという人がいるが、人生経験を積んで人間関係を保つ知恵や技術が身につくことも大事だと思う。そこで、今月の句会で仲間から選んでもらった、私の一句を紹介する。 「聞き流す 癖が身につき 木の葉髪」 (注)木の葉髪(このはがみ)とは、夏の紫外線や暑さで髪の成長が阻害され、晩秋から初冬にかけて抜け毛が多くなること。それを木の葉が落ちることにたとえた季語。 (写真は整備の進む熊本駅前)

2020年11月20日 365日の本と数字遊び

 閏年を除けば1年は365日である。そこで世の中には、1日一つずつの挿話を合計365日分にまとめた本が出版されている。私の手元には「川瀬敏郎一日一花」や「日本の絶景365日」「ドラッカーの365の金言」などがある。ちょっと暇ができた時にその日のページをめくって読むと、ちょっとだけ知識がついたように思えるのが嬉しい。新しい花の名前を覚え、紅葉の美しい絶景ポイントを知り、経営のポイントを確認することができる。そういえば、「日本の絶景365日」は、新型コロナ感染の拡大で旅行がしにくくなった人に、家にいながらにして日本の絶景に会えると紹介されていた本だ。

 積年の行動で区切りの良い数字に会うことがある。銀婚式や金婚式などは夫婦で積み上げる勲章だが、個人的なことで区切りの良い数字に出会い感激することがある。例えば、自家用車の累積走行距離が12,345キロメーターになった瞬間、フィットネスへの通算回数が365回になった日などが最近あった。これらも一日一日の積み重ねの結果と言える。

 某銀行の支店長車のナンバーは「834」、馬刺しと読む。そこで私の車のナンバーを「634」、武蔵としようと思ったが目立つといけないと思い止めた話は前にした。結局は数字の魔術から逃れられずに、世界的に知られた数字「1618」をナンバーにした。面白かったのは、フランスの世界的な社会学者であるクロード・レヴィ=ストロースが私のこだわっているある数字を同じように大切にしていると知ったことである。会社で仕事をしている以上は業績数字とは縁を切れないが、個人的にはこれからも面白い数字と遊んで行きたいと思っている。

190件〜192件 (全 736件)   <前の3件     ・・・   60 | 61 | 62 | 63 | 64 | 65 | 66 | 67 | 68  ・・・   >次の3件