芭蕉林通信(ブログ)

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2022年06月02日 じゃんけんで負けて蛍に生まれたの

 このかわいらしい俳句を作ったのは池田澄子という俳人。口語で型破りだが記憶に残る一句である。この句を思い出したのはいよいよ蛍の季節を迎え、地元紙を幻想的な蛍の写真が飾ったからである。私自身子供が小さい頃は体力があり、教育的観点から遠くまで蛍狩りによく行った。そして時が過ぎるといつしか蛍狩りの場所は徐々に近場に移って来、近年では蛍狩り自体面倒と思うようになった。

 そんな時に朗報が飛び込んできた。自宅近くの歴史的な屋敷の庭に蛍が出ると教えてもらったのである。過去に遠くまで蛍狩りをしたのがばかばかしくなるほどのご近所なのである。半信半疑でいたところ、地元紙にその庭の蛍の写真が掲載されたので疑問は確信に変わった。そこで日曜日の夕、暗くなる直前に駆け付けると、いたいた、人間が。

 いつもは昼間でも他人を見ない庭に10数人の人影。三脚を立てて蛍の撮影に臨んでいる女性に話しかけると、明るい内から庭を撮影しあとで蛍の写真と合成すると言う。こうしたことがあるからやっぱりコロナ下でも他人には会わなければならない。かくして待望の蛍が出現し夢中でシャッターを切った。が所詮高度なテクニックなしの写真、まずは蛍が撮れただけでも良かったと低レベルの満足度に浸ったのである。

2022年05月24日 イエナカキャンプ

 お笑い芸人ヒロシが始めたソロキャンプが、コロナ禍の巣ごもり時代にあってSNS上であっという間に人気になった。人気が落ちテレビに出なくなったと思っていたら、見事復活を遂げたのはあっぱれと言うしかない。私にとっても少年時代ボーイスカウト活動をしていた頃はキャンプは身近なものであったが、最近はテントは家にあるものの使う機会は全くなかった。

 そんな時にもアウトドア関連の店は続々とでき、一種のアウトドアブームが続いている。地元のショッピングモールの屋上で期間限定のグランピングが開催されたり、白川の河川敷でマチナカキャンプの催しがあったりしている。そこで私も一念発起し、狭い庭でイエナカキャンプを挙行した。

 屋外調理用のキットだけは購入したが、その他は家にあるものでにわかキャンプ場を作った。テントを張りランプを吊るす。野外用のテーブルとイスを置き、寝椅子とディレクター・チェア、ハンモックを配置。叢にはやぶ蚊用の殺虫剤を撒いた。その後お湯を沸かし、焼き鳥ラーメンを5人分完成させた。そして、喜ぶ孫にラーメンを食べさせようとした途端、不安定な子供用の机からラーメンがどんぶりごとにひっくり返り、孫は大泣き。かくしてイエナカキャンプは無事終了した。

2022年05月17日 放棄された山荘

 父の遺産として引き継いだものに阿蘇の山荘がある。湯之谷という地名が表している通り、温泉が出るという地域に数十件の別荘が建てられた。生前ゴルフ大好きな父が、ゴルフ場が近くで便利とばかりに土地を購入し別荘を建てた。私が大学生の頃、帰省した際にはまだ原野である敷地にテントを張りキャンプした。できたばかりの別荘に泊まると、電気が通じていないことを初めて知るということもあった。

 そこで見合いをし子育てしたのだから、我が家にとっては思い出深い山荘であることには違いない。しかし、山の家というのは住んで初めて分かることが多い。とにかく家の管理が大変だった。行けば温泉が出ない、水がでない、ネズミが悪さする、山火事に遭遇するなど想定外のことが次々に起こった。その都度対応を迫られるのだが、大抵は問題解決せずに我慢を強いられた。そしてある時、1年ぶりに別荘に行きドアを開けると、中は湿気でぼろぼろになっていた。

 それから別荘を放棄したまま約10年が経とうとしている。しかし持て余し気味の別荘の固定資産税はちゃんと払わされている。村は不良資産を引き取るよりも固定資産税を聴取した方が得なのである。しかし、思い出の詰まった場所であることは間違いないので、5月の連休中には孫を連れて別荘近くの原野を散策した。放牧中の赤牛に気を付けながら、誰も来ない原野の水たまりで魚釣りしたのは小さな子供たちにとっては良い思い出になったはずである。

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