芭蕉林通信(ブログ)

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2018年05月28日 ひとさし舞ってしんぜよう

 先日から日大アメリカンフットボール選手の危険なプレイが世間を騒がしている。SNS時代には、情報の拡散は瞬く間であり隠したり誤魔化したりすることは難しい。それにしても、二十歳の学生を指導した監督やコーチの責任は深くて重い。

 謝罪した学生は、アメフットに興味を持ったのは身体と身体をぶつけるコンタクト・スポーツに魅力を感じたからと言っていた。アメフットには100種類の戦術があり極めて頭脳的な戦いを強いられる一方で、ゲーム自体は身体的な接触が避けられない格闘技的な要素がある。

 私の場合加齢とともに肉体的な強靭さを失って久しいが、伝統芸能の世界における身体表現については逆に関心を強めてきた。郷土出身の東大医学部の稲葉先生が医療活動の一環として能を学んでいることも刺激になっている。そこで今月から始めたのが稲葉先生にならい仕舞と謡いの勉強である。いずれの日にか、「ひとさし舞ってしんぜんよう」と言うのが目下の夢であり目標である。

2018年05月21日 表紙を飾る

 我流で絵を描き始めてほぼ2年が経つ。我流ゆえに絵の対象や描き方が定まらないこと甚だしい。鉛筆画、ペン画、水彩画、風景画、静物画、肖像画、抽象画など手当たり次第なのである。そもそも何が理由で絵を描き始めたか自分でも判然としない。写真を撮ることが好きなので、写真より個性の出しやすい絵に向かったという気がするだけである。

 ただ美しい絵や有名な絵には今まで以上に興味を覚えるようになった。画家によって描き方や対象が違うところが面白いし参考になる。熊本現代美術館で開催されたアンドリュー・ワイエスの素描・水彩画展では、絵の持つ精神性と卓越した技術とに圧倒された。京都国立博物館で開催中の池野大雅展では文人画の魅力の虜になった。

 さて、私のような素人画家に夢のような機会が訪れた。俳句仲間が本を出版するにあたり、私の絵を表紙に使用してくれたのである。「8つのテーマで読む水俣病」という本だが、立派な内容の本に対して私の稚拙な絵が足を引っ張らないか心配している。もし本が売れなかった場合、著者から私の絵のせいだと言われないかびくびくしている。そこで出版直後に2冊だけはちゃんと買っておいた。

2018年05月17日 あぐらをかく現代人

 テレビ番組で美輪明宏さんが「最近の女性は女性であることにあぐらをかいている。」と発言していて、私自身なるほどと納得した。しかし、世の中はそこからの展開が面白い。この話をある女性にしたところ、「女性だけでなく、男性も同じでしょう。」と切り返され、これまたそだねーと納得した。会話は理解することができる同士がすると文字通り話が早い。

 と言うのは、会社の幹部連(男性ばかり)に美輪さんの発言を紹介したら、誰も意味を理解できないことに驚いたからである。学歴が泣くとはこうしたことを言うのだろう。「あぐらをかくという」という意味を身体的表現としか捉えられない。つまり話が通じないから会話でなく説明になってしまった。

 もしかしたら美輪さんの指摘は、テレビ番組を視聴していた国民の多くに意味が伝わらず、現代の女性はあぐらをかくほど行儀が悪いと思ったのかもしれない。そして、美輪さん自体も発言が誤解されて伝わっていることに気づかなかった可能性が高いのである。現代人への素晴らしくかつちょっと皮肉っぽい指摘は空を切ったに違いないのである。

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