芭蕉林通信(ブログ)

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2019年06月06日 中国旅行記

 5年振りに中国に行って来た。これまで出張を敬遠していた理由としては、生水で腹を下す、白酒が体質に合わないなどがあったからである。従って今回は、大歓迎されたとしても白酒は遠慮する、日本からペットボトルを10本以上持参することとした。結果無事に帰国できたばかりか、毎日約1万5千歩ほど歩いたので1kgのダイエットに成功したのは余禄と言えよう。

 さて中国では2社の取引先食品製造企業を訪問した。2社とも新工場を建設したばかりで全体のスケール感と近代的な設備に感心させられた。積極的な経営姿勢に我が目が覚まさせられる思いだった。以下新しく気づいたことを列挙すると下記の通りになる。  1 中国入国時から至る所で顔写真撮影(監視カメラも多い)  2 キャッシュレス化が進展(現金が使えない施設も)  3 石炭の使用削減で青空が広がっている  4 新幹線がチベットやウルムチなどの僻地にまで2年以内に開通  5 取引先企業の社長は毎朝、ネットで配車を呼び乗り合わせて出勤

 常々周りに言ってきたことだが、中国が日本に学ぶ時代から、我々が中国から学ぶ時代になったことを実感した中国旅行となった。

2019年05月13日 梅の木に入る

 令和元年は庭の果樹によく実がついた。まずさくらんぼが大量だった(もっともこの時は平成最後の月)。日頃世話をする訳ではないので、天然そのもののさくらんぼである。実を摘みながら食べながら紅く熟した実を採るのは楽しい。もっとも、食べきれないぐらいに採れて最後には家人にも見捨てられたのは誤算だった。

 昨日は老梅の実を採集した。実の太り具合を確かめた上、高い脚立に乗って採集したが頭から落ちたらば怪我は免れない。それでも脚立の上で手足を伸ばせば届く梅の実を逃す訳にはいかず、相当アクロバット的な格好になったりした。老梅の幹の肌は毛羽立ち小枝は尖り、両手が傷だらけになったのにはまいった。実は梅の葉と同じ色で見分けるのが難しい。さらに、梢には蜂が巣作りに励んでいる。それでも笊いっぱいに梅の実が採れたのは自分にとっては大収穫だった。

 梅の木に分け入ってみると、今までは見えなかったことに気づく。蜂の巣がそうだし、庭のヤマボウシには白い花が咲いている。ヤマボウシはやや高木で梢に花を咲かせているので、下からは気づかなかった。さらに、桜の木に大量の毛虫が発生していることに気づき、新聞紙に火を付け一気に焼却した。亡き祖父が桜についた毛虫を焼いている場面を俳句にしていたことをふと思い出した。「木を見て、森を見ず」ということわざがあるが、木を見ることも意外と難しいなあと感じる1日となった。

2019年05月09日 想いでの人々(その6 O日本興行銀行主任部員)

 大学を卒業して就職したのが日本興行銀行だ。1973年に入行したがすべてが異常だった。つまり、学生運動の結果東大の卒業生がいない上に高度経済成長が続き学生の売り手市場は極り、内定通知をもらったのは大学3年時の12月だった。当時の有様を「青田刈り」ならぬ「種もみ刈り」と称するマスコミがあったぐらいだ。しかも、私の大学は1年時は学生のストにより休講だったので、実質1年半の授業で就職試験に臨んだのである。

 今でも忘れられないのは銀行の幹部による最終面接でのこと。面接官の一人から「三面等価の原則について説明して」と言われどっと汗が吹き出し、しどろもどろに返答した。見かねた別の面接官から「テニス部だから練習に忙しかったのかな」と助け舟を出されたが、てっきり就職は無理と思った。ところが内定をもらったのだから世の中は分からない。当時着ていた学ランが好印象を与えたのかななどと勝手に想像した。

 さて、入行して8年目に仕えたのが産業調査部のO主任部員(一般的には課長職)だ。カミソリと噂されるぐらいだったので、頭は切れ、仕事には大変厳しかった。毎週個人面接がありテーマの確認があった。日経新聞に掲載するため「セメント産業の燃料転換」について3千字程度の原稿を書いた時は、O主任部員に徹底的に切り刻まれ、返って来た原稿を見ると「石炭」の2文字以外は全部赤線が引かれていた。彼が東京都庁で講演する際は、資料作りのため二日の徹夜作業を強いられた。そのO主任部員が全国銀行13行が集まった市銀連の委員長へ出向が決まった時の話である。当時の懸案は銀行の週休2日制の導入であったが、大蔵省・銀行・組合の三者調整が難航していた。そこに乗り込んだO委員長は、「仕事は昼3・夜7で進める」と言いながら、見事に銀行の週休2日制の道筋をつけた。表面的な仕事とは別に、実質的な仕事を進める方法がある、それは個人的な関係が重要だと教えられたのである。

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