芭蕉林通信(ブログ)

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2024年06月18日 庭を整える

 庭師の体調不良により、突然私が庭師の代わりを務める羽目に陥った。庭造りに関しては当然素人だが、各地の名庭園を見たり近くで庭師の仕事ぶりを見てきたので、自然に学んだり覚えたりした知識や技術があることにはある(と勝手に思っている)。庭師の回復を待てば良いとは思うものの、小さい庭とはいえ数えれば約25本の木が茂りに茂るのを見ていると自ら剪定するも止む無しと決意した。

 ただ、最大の不安材料は剪定中の事故であり、高所作業中に滑落して死亡したり大けがしたという事例をいくつも聞いている。手袋や長袖・長ズボンを着用し、三脚を使って高い枝を伐採する時などは念のため頭にヘルメットを装着する。剪定ばさみは普通のもの、柄が1mのもの、柄が3mのものの3種類を使い分ける。枝や葉が茂ると風通しや光の通りが悪くなるので、庭に木漏れ日が訪れるよう必死に作業をするのである。

 面白いのは、木を手入れしいわゆる庭を整えると庭に強い愛着を覚えることである。あの枝や葉は剪定したおかげで見映えがよくなったなあ、などと感慨に耽っていると時が経つことを忘れる。剪定中には6月なのにメジロのつがいを目撃、また木の高所を歩くトカゲを見つけ、蜂の巣を4個大きくなる前に排除した。小さな庭とはいえ小さな命が息づく小宇宙なのである。今日も帰宅すれば、盆栽への水やり、目高へのエサ遣りが待っている。

2024年06月13日 ビジュアル的記憶術

 アルツハイマー型認知症が気になる年頃になった。50歳になった時は百人一首の丸暗記に挑戦し、記憶力がいまだ健在か自ら検証した。中学時代の国語の授業中に作った自作の俳句が「秋の夜や隣の家の笑い声」だったことを今も覚えており、同級生の女の子が作った「ぎんなんの実は拾えども限りなし」とか「玉祭りモルダウの歌を捧げけり」も名句と思うゆえに忘れたことはない。ところが、数年前の同窓会に参加した時に上記の俳句の作者にそのことを褒めたらば、当の本人が忘れていることに唖然とした。記憶はその人に関心があるかどうかで持続力に違いが出るのだろう。

 私の場合は好奇心の強さから比較的覚えていることが多い。とりわけ、好きな詩を暗記して時に応じて口ずさむことが好きだ。春であれば、ブラウニングの「時は春・・・」、5月になれば佐藤春夫の「紀の国の五月なかばは・・・」、6月のアジサイが咲くころは三好達治の「母よ 淡くかなしきもののふるなり・・・」、秋になればやはりヴェルレーヌの「秋の日のヴィヨロンの・・・」である。とはいえ、全文をスラスラと言えなくなっているのが悔しい。

 ところで、さらなる記憶術がビジュアルによるもの。ある記憶術の達人は、教科書をページごとに映像として記憶していると述べていたが私には想像できない世界だ。私の場合は美術鑑賞を趣味の一つにしているおかげか、多少はビジュアル的記憶力があるように感じている。例えば、ある人と会って何か違和感を感じる時には、大体その人は髪型か化粧法を変えている。そのことを指摘すると驚かれたり喜ばれたりすることがある。しかし、同時に失敗も避けられない。ある時ある人に髪型が変わって素敵になりましたねと言ったらば怒られた。もう髪型を変えて1週間経っていた。早く気付くべきだったのである。それにしても、昨今はセクハラにならぬように言動には気を付けなければならない。(写真は、アイリッシュダンスを見た後ビジュアル的記憶によりダンサー二人を描いたもの)

2024年06月03日 セ・パ両リーグに加えて

 最近テレビドラマで話題になった「不適切にもほどがある」を珍しく全編観たが、約30年間で社会の常識が劇的に変わったことを痛感した。30年前は学校での体罰、社会でのセクハラ・パワハラ的言動などは日常茶飯事だった。かつて勤めた銀行の森田課長は承認印をもらいに来る女子行員のお尻をしょっちゅう触っていたので、「スケ森田さん」と呼ばれていた。ところが、私の同期で助守田(すけもりた)さんが入行したので大笑いになったというのも今は昔の話である。  

 実際にある会社の社長は、ちょっとした勘違いからか女子社員からセクハラとパワハラで訴えられた。ある人曰く、これはセ・パ両リーグだ。しかし、わが身を振り返っても笑いごとでは済まされない。セクハラやパワハラに加えて、最近はモラハラ、マタハラ、カスハラなど人権侵害の罪状は増えるばかりだからである。

 昔の方が部下の指導がしやすかったとは単純には言い切れないが、こちらとしては人間性を磨きながら、誤解のないような指導法を身に着けるしか道はない。理不尽とも言える仕事を上司から押し付けられ、何とか乗り切りながら実力をつけてきたという過去の経験は自分だけの宝物としよう。(絵は、さわやかな草原の陽のつもり)

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